あるあるレポート
2016年6月号(6月30日発行)

職業能力開発サービスセンター(サービスセンター)が実際に行っている企業訪問等での相談・支援などに関する現場レポートをお届けするコーナーです。


第10回は、広島職業能力開発サービスセンターの現場レポートです。


広島県は、産業全体に占める製造業の割合が、就業者数で17.6%(全国16.1%)、県内総生産額で22.4%(全国18.4%)(図表1)と高いことが特徴です。 そのような環境の下での、メンバー6名(人材育成コンサルタント3名・キャリア形成サポーター2名・キャリア開発アドバイザー1名)の取組みを紹介します。






1.企業理念の実現


近年、ほとんどの企業ではPRの手段として、自社ホームページを開設しています。 企業訪問に際しては、企業の特徴を知る上での情報源として、私たちも大いに活用しています。しかし、企業理念と現状とのギャップに遭遇する事が多々あります。 企業にはこのような現状から抜け出し、理念実現のために大きな一歩を踏み出してもらいたいものです。

そのため人材育成の第一ステップとして、「事業内職業能力開発計画」の作成を薦めています。キャリア形成促進助成金申請のための要件の一つではありますが、社員の能力向上のためのマスタープランとしての位置づけで作成されることを提案しています。 また、社員が仕事を通じて能力向上を図ることと、生き生きとした職場づくりは企業にとって必須です。その職場づくりの有効な手段として、キャリア形成サポーターによる「キャリア診断サービス」の活用を提案しています。




2.人材、本当に活かせていますか?


近年、少子高齢化による労働力人口の減少(図表2)、共働き世帯の増加(図表3)や大介護時代の到来など働く人々に変化が起きています。そのため、有能な人材採用の厳しさや時間制約のある社員の増加などにより、業務運営にも大きな支障が出ることが予測されます。

そのような問題に対処していくためには、「時間制約のある人材(社員)」を含めて、多様な社員が就業できる職場づくりが必須となってきます。とりわけ、事務・間接系部門の社員には、単一業務にとどまらず、複数業務の担当者としての能力開発・自己啓発の機会を提供することが重要になります。そのためには企業として「ビジネス・キャリア検定試験制度」を導入し、現担当業務のレベルの把握を通じて、弱点部分を向上させるとともに、近い将来担うであろう業務や関連業務の知識習得を支援する環境づくりを助言しています。

本検定試験を活用した、事務・間接系部門の社員の「能力の見える化」により、意欲ある社員づくりの実現が可能なのではないでしょうか。





3.「ものづくり」は「人づくり」から


製造業とは言え、どんな製造物であっても、最終的にはお客さまに納入する商品となります。当然のことながら、お客さまに喜ばれる商品や品質、さらには継続的取引を実現させるためには、製造現場での人材育成は重要なものとなります。

「団塊の世代」社員の退職により、技術・技能伝承には難しさがあります。ほとんどの中小・零細企業では、低コスト(少人数)、短納期、小ロット受注の常態化により、技能者の育成取組みは困難な状況です。

ものづくり県である広島県内企業に対しては、そのような現状の問題を解決するために、「ものづくりマイスター制度」の活用を提案しています。幸い、広島県内には製造業を中心に多くの職種のマイスターが認定されており、技能振興コーナーを窓口にして多数の実技指導を実施しています。

派遣した企業からは、「教える社員と時間はあるのだが、教えベタなので活用した」と言う事例がありました。そればかりか、「教える社員も教えベタであることを自覚したことにより育成技法を見習い、改善部分を見つけることができた」という声もいただきました。 この実技指導を通じて、技能検定の昇級にチャレンジし、高い技能・技術力に裏打ちされた技能者として羽ばたいてもらいたいものです。



キャリア形成支援に関するご相談は、お気軽にサービスセンターをご利用ください。




広島職業能力開発サービスセンター
TEL:082-245-4294
FAX:082-248-9307
E-mail:s-center1@hirovada.or.jp
URL:http://www.hirovada.or.jp/