あるあるレポート
2016年1月号(1月28日発行)

職業能力開発サービスセンター(サービスセンター)が実際に行っている企業訪問等での相談・支援などに関する現場レポートをお届けするコーナーです。


「企業は人」〜リゾートを追求し、お客様の満足を追究する人材育成を目指して〜



初めまして、四国最南端 絶景リゾートホテル 足摺テルメ 総支配人 宮崎 豊と申します。


今回、計4回の連載をさせて頂くこととなりました。読者の皆様は、「職業能力開発推進者」や「人事・能力開発担当者」など企業・組織のキャリア形成業務に携わっている方々が多いと聞いております。ご存知の通り、人事や人材育成は一朝一夕にはいかず、「一歩進めば、二歩下がる」の連続です。そんな中、私たち「足摺テルメ」の「現場発」の日常を客観的に垣間見ていただき、「私にもこんな悩みがある」や「うちの会社にもこんな課題がある」などの、共感いただける連載となればと思っております。しばらくの間、お付き合いをよろしくお願いいたします。


まず、私たち足摺テルメの置かれた環境や現状などを紹介させて頂きます。


足摺テルメは、四国の最南端「高知県土佐清水市足摺岬」に1998年に「国民宿舎」として産声をあげ、現在は「指定管理制度」により私たちが運営管理を委託されています。足摺岬は日本有数の景勝地として知られ、天然温泉もあり、多数のホテル・旅館・民宿が立ち並ぶ一大観光地です。(でした。と表現した方が正確かもしれません。)現状は、年々観光客が減少し、土佐清水市自体の人口も年々減少、観光客も働き手も過疎化が急速に進んでいます。





私は、そんな観光地にあるホテル(従業員数 36名)の総支配人に2011年の12月に就任しました。就任といえば聞こえは良いですが、私はホテル業も観光業も飲食店の経験も無い「ズブの素人」。


そんな私が、ある日ホテルの総支配人として足摺テルメの経営再建を任され、足摺テルメに赴任して来たのです。当然のことながら、毎日は目まぐるしく過ぎていき、目の前の業務に手一杯の状態が続きました。そんな総支配人の元では現場スタッフの士気が上がるはずもなく、気が付けば全てのスタッフがバラバラの方向を向いている組織ができ上がっていました。社内には、不平や不満が溢れ、本来、宿泊ゲストに向けられるべき意識が、全て社内のネガティブなものに集中してしまっている状態でした。


私は、悩みました。今の現状が全て私が創り出したものであることは理解していましたが、何をどう変えれば、組織がポジティブな方向を向くのかは全く検討もつきませんでした。今思えば、その時の私は、売上や利益のことばかりを気にするあまり、従業員一人ひとりの気持ちや思い、夢や希望に全く関心がなく、自分の責任である「ホテルの再建」を自分ひとりでやろうとしていたと思います。


そんなある日、一枚の案内が私のデスクに置かれていました。


それは、「第一回 職業能力開発推進者講習」の案内でした。全くの未経験者を雇用する機会が多い足摺テルメでは「ジョブ・カード制度」を利用していましたので、制度上、私が「職業能力推進者」に登録をしていたことで届いた案内でした。今振り返れば、本当に「幸運の案内」となったのですが、その時の私は半信半疑。包み隠さず言えば、全く期待をせずに参加を申し込んだのを覚えています。ただ、直感的に「人材育成」が急務であることは感じていましたし、「ホテルの再建」には、スタッフ(組織)の再建が出来なければ、計画が絵に描いた餅になることは実感していました。ですから、参加することで何か少しでも「希望の光」が見えることを期待していました。





結果、その期待は大きく叶うことになりました。当然、この研修で社内の全てがガラリと変わったり、見違えるような変化は訪れませんでしたが、私には道筋が見えました。


「そうか、実際に宿泊ゲストにサービスをするのは現場のスタッフ。そのスタッフがホテルに不満を持っていたり、夢や目標が持てずやる気をなくしているとしたら、どうして宿泊ゲストに満足な心のこもったサービスができるだろう? いや、できるはずがない!今、やるべきことはスタッフの今の気持ちをしっかりと把握することだ。」このように、私は確信しました。遠回りにも感じましたが、すぐに、むしろ近道だと思い直しました。そして、導かれるまま「キャリア診断サービス」を受けることを決め、足摺テルメの人材育成への長い道のりがスタートすることになりました。


燦々たる「キャリア診断サービス」の結果は、次回のお楽しみにしてください。


では、また、ありがとうございました。