あるあるレポート
2015年12月号(12月24日発行)

職業能力開発サービスセンター(サービスセンター)が実際に行っている企業訪問等での相談・支援などに関する現場レポートをお届けするコーナーです。


第6回は、大阪職業能力開発サービスセンターの現場レポートです。



ケース1 ともに築いた社内教育体制

平成25年9月、従業員130人ほどの企業からサービスセンターへ「体系的な社内教育を実施したいので支援して欲しい」との依頼があり、訪問しました。

同社は社長以下総務課長まですべて技術者出身で、人材教育の必要性は大いに感じているものの、これまで新入社員研修程度しか行ったことなく、どうすればよいのかまるでわからないということでした。

まず、人材育成事例から同規模の企業の事例を抽出して持参し、他社のやり方を学習してもらいました。毎回、社長、総務部長、総務課長、女性スタッフ2名の5名が出席され、その熱心さには頭が下がる思いでした。

同社では「職場風土改革促進事業実施事業主」の指定を受け、いわゆるワークライフバランスに取組んでいましたが、社長は「女性の戦力化を目指したい」とのことで、いつも同席の女性スタッフが新入社員研修を企画して実行しています。

ところがどうもその内容が十分でないとのことなので、見直すことにしました。丁度新入社員を迎える時期だったので、3ヶ月ほどかけて研修内容を見直しました。見直しをした新入社員研修は好評裡に終わり、加えて、1ヶ月後にキャリア・コンサルタントの資格を持つキャリア形成サポーターの支援を仰いでフォローアップ研修を実施しました。

そうこうするうちに、当初から取組んでいた同社の「事業内職業能力開発計画」がまとまり、コミュニケーション型の人材育成とワークライフバランスの環境づくりを柱とした教育体系が作成できました。その内容は事業内職業能力開発計画事例として掲載されいています。

そこで当方の支援は一旦区切りを迎えたのですが、教育体系に基づいた具体的な実施について引き続き支援を要請され、平成26年秋に同社の課長・係長クラス16名を対象に、毎月1回約3時間で3回にわたり管理職研修を実施しました。

そして現在は、各部門の次長クラス(同社の部長は役員のため、次長は従業員の最高位)5名を対象に次長研究会として、毎月1回学習会を実施しています。目下、各部門における階層ごとの職務要件の整理に取り組んでいます。この次長研究会が同社の後継者育成となり、その活動が社内の人材育成の環境醸成となって欲しいと思っています。

支援を始めて2年が経過しましたが、社長以下幹部の方々の熱意により、まったくの無地からいささかの人材育成の実績が積み上がったことはコンサルタント冥利につきると考えています。




ケース2 キャリア支援講習

キャリア形成サポーターとしての活動の中で、最近中小企業の社員の皆さん(特に若手・一般社員)へキャリア支援講習を実施することが増えてきました。今回は従業員300名規模の建設業の、ある中堅企業が取り組んだケースを事例として報告します。


もともとの発端はサービスセンターへ社員研修用のビデオ教材を借りに来られたのがきっかけで、後日訪問してお話を聴くことからスタートしました。同社では階層毎にマネジメント研修として取り組みを検討していましたが、特に30歳台中心の一般社員に対して、コミュニケーション能力や自立的・主体的な業務遂行能力の向上を目指して研修を模索していた時期でもありました。


そこでサポーターからは自己理解による行動変容への気づきを主眼にグループワークを中心とした研修内容を提案し実施に至った次第です。


具体的にはテーマを「自己を見つめて、これからの行動は」と題し、受講者15名ほどを3〜4グループに分け、「ふり返ってやりがいを感じた時」について話し合い、グループ発表を行ってもらいました。また、もう一方の柱として、職業経験の長いサポーターが、一人の先輩としての位置づけで、各人が成長していくための視点としての講話を行い、自己変革への気づきを促していきました。


受講後の感想では「自分自身の行動や考え方について、何らかの気づきがあり前向きな行動変容を起こしていきたい」という意見と同時に、「今まで話をしたことがない人と話せた」、「他部門の人と知り合えて良かった」、「仕事以外の内容で初めて知ることがあった」など副次的な効果と考えられる感想も多く述べられ、従来の集合研修とは違った効果も出ているように感じます。


キャリア形成は、まず自分自身のことをしっかり知ることからスタートです。企業ニーズを踏まえ、必要に応じてこのようなキャリア支援講習の活用を今後もお勧めしていきたいと思います。




大阪職業能力開発サービスセンター

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